叔父さんの背中は、寂しそうだった。
でも俺は、
悪い事をしたなんて思ってない。
悪いのは、今までのあんただ。
背中にそう言ってやった。
それほどまでに、俺の憎しみは大きかったんだ。
「じぃちゃん。父さんを連れて行ってやって…?」
「あぁ。分かった。」
「ばぁちゃん。母さんを…。」
「えぇ。」
千里は俺が連れて行った。
大事に抱き締めて、
離さないように。
車の中で、今の千里を見て思った…
こんな壺に収まってしまうくらい…
今のお前は小さいんだな。
こんなに…軽いんだな。
こんなに…冷たいんだな。
俺の頬に、
一筋の涙が流れた。
