僕が彼女を殺しました・・・。

「翔ちゃん・・・?」




「なぁ・・・泣くなよ。」


「そんな風に・・・俺以外の奴を思って泣くな・・・。」




俺の部屋には、時計の針が動く音だけしか聞こえなかった。



きっとこの時に、

今までの2人の関係が形を変え始めたんだと思う。





「・・・翔ちゃん・・・あたし――」

「俺が!!」


千里の言葉を、無理やり俺は遮った。



「お前を守るから・・・。

 俺なら絶対・・・泣かせたりしない。



 ・・・・愛してる。」






千里の肩は、少し震えていた。



いや、違うかな・・・

震えていたのは俺の方だったのかもしれない。





でも、震えてもこの手は

離さない。








「・・・・翔ちゃん。」