だって、いつも千里は笑っていたから。
俺は千里の笑顔しか、見た事が無かったから。
「何でかなんて・・・分かんないよ・・・。」
「好きって気持ちに・・・・」
「理由なんて要るの・・・?」
千里の質問に、
俺は固まってしまった。
“好きって気持ちに理由なんて要るの?”
目に涙を溜めて、
必死に堪えながら言った彼女の言葉は、
凄く重みがあって、
凄く純粋で、
凄く俺の心に響いた。
「ごめん・・・俺・・・。」
「ごめん・・・。」
俺が謝ろうとした時、
千里も謝った。
何でお前が謝るんだよ。
何で泣いてるお前が謝って、
泣かせた俺が謝られてんだよ。
意味わかんねぇ・・・。
「せっかく聞いてもらったのに・・・怒ってごめん。」
小さくなって、涙をポタポタ落としている彼女の姿は、本当に可愛くて、切なくなった。
