帰り道

猫を見つけた

暗闇に溶けだす漆黒の


近づいて

触れたら

しっぽがからまって

思わず抱き上げた






ぼわん

音がして

煙が上り

押し倒される

のしかかる大きなもの

黒い男






俺は、猫になった夢を見ている

気づいたら

焦がれる女の腕の中で

あぁ

抱き締めたい

そう思ったとたんに

元に戻ってしまった







黒い瞳を見つめ返した

流れる黒い髪を撫で

対照的な白い頬を撫で


『わかってたよ、何となく』






撫でる手を握り

俺はキスした












それだけなんだけれど