「えっ、場所ですか? 桜並木の坂の上にある…」
とそこまで言われたとき。ついに想いを爆発させた。これ以上喋らせておくわけにはいかない

「――ッ!」

 扉に手をかけた先生の腕を、力任せに引っ張りあげる。

「……あーあ、これで一生を棒に振るのね。あと、20分もすれば警察が来るわ。そうなれば一巻の終わりよ。わかってるの?」

 ――それでも先生がどうしたらいいのかわからないくらい大好きだった。

「ウソだ。あれだけの情報でここが特定できるとは思えない。それに俺のことが嫌いならはっきり言ってよ」