「あっ、警察ですか? 今ここに変質者がいるんです。助けてください!」
「酷いよ! まだキスをしただけじゃないか!」
大学に受かったとき、俺は初めて想いを告げた。
「寝言は寝てから言いなさい」
「ちゃんと起きてるじゃないか! 俺の言葉に少しは耳を傾けてよ!」
「聞くだけ無駄だから嫌よ」
それ以上なにも言えなくて、むっとして視線を落とす。俺の告白はこうやってはぐらかされてきたのだ。
そう。いつもだ。あるときは、この気持ちは両親への愛情の代償なのだと、あるときは、それくらいのときは年上に憧れるものだ、ともっともらしい理屈を振りかざすんだ。
響子先生は何も言えない俺を見て小さく笑う。ざまあみろ、という嘲笑だった。
先生のこんなところも大好きだ。そして――。
「酷いよ! まだキスをしただけじゃないか!」
大学に受かったとき、俺は初めて想いを告げた。
「寝言は寝てから言いなさい」
「ちゃんと起きてるじゃないか! 俺の言葉に少しは耳を傾けてよ!」
「聞くだけ無駄だから嫌よ」
それ以上なにも言えなくて、むっとして視線を落とす。俺の告白はこうやってはぐらかされてきたのだ。
そう。いつもだ。あるときは、この気持ちは両親への愛情の代償なのだと、あるときは、それくらいのときは年上に憧れるものだ、ともっともらしい理屈を振りかざすんだ。
響子先生は何も言えない俺を見て小さく笑う。ざまあみろ、という嘲笑だった。
先生のこんなところも大好きだ。そして――。
