南京錠

「悪戯にしては悪質だな…」




蓮がパタッと携帯を閉じる。




「誠…」




私は泣き続ける誠を抱きしめる事しか出来ない。





“校内に残ってる生徒は速やかに下校して下さい――”




校内放送が流れた。




騒ぎが予想以上のため、今日は、全員下校命令が出たらしい。




「とりあえず、俺らも帰るか…」



蓮が私達の手を引いた。









「俺は愛子の所に行ってくる。」





誠は私達とは違う道に向かった。









帰り道、私と、蓮は沈黙だった。まぁあんな光景を見て普通で居られるはずは無い。




「ねぇ…誠の言った呪いの掲示板って…本当なのかな…」








「そんなもの…あるはず無いだろ。でも…誠は嘘つくような奴じゃねぇし…分かんないよ…」




蓮が苛々してるのはよく分かった。


私も頭から消えないあの、愛子ちゃんの苦しそうな顔が…いつもニコニコ笑顔の顔とリンクして、胸がムカムカ吐き気が止まらなかった。




「大丈夫か?顔色悪いぞ?」





そんな様子に蓮がすぐ気ずいてくれた。