南京錠

「なんで愛子がこんな事に…」




誠はコンクリートの壁に、拳をブツケテいた。





そして、少し落ち着くと、ゆっくり喋り始めた。



「俺がこの前見せた掲示板分かるか?」



誠が蓮に問いかける。



「あの変なサイトだろ?」


「愛子は自殺なんかしない…殺されたんだ。あの掲示板に…」



「殺された?」



蓮が不思議そうに聞き返す。



「そう。愛子は俺と付き合ってる事で、有りもしない嘘や、酷い悪口をよく書かれてたんだ。でも愛子は、そんなの全然気にする奴じゃなくて…なのに…」




「やっぱ気にしてたって事か?」



「違う…殺された。掲示板の呪いに…」



「呪い?」



蓮は眉毛をひそめる。



「あるんだ…イキなりそれは現れる。南京錠。」



「なんきんジョウ??」



私が聞いた。



「その題の掲示板に名前を書かれた奴は死ぬ…」



「そんな事ある訳ねぇじゃん。」



蓮が寝転がった。