米川の訳の分からない授業を終えて、その他色んな授業を終えて、昼休みがやってきた。


昼休みは椋子ちゃんたちのグループとバレーボールをすることになった。
ゆうきは、しんどいと言って嫌そうだったけど、しつこく誘ったら来てくれた。
ありがとうって言ったら、やっぱりうつむいた。


運動場に出ると、男子数名がキャッチボールをしていた。
ゆうきは、それを羨ましそうに見ていた。
それから、ボソッと呟いた。

「野球やりたい…」

あたしは少し考えてこう言った。
「……そいじゃ、野球やろ!
 次の土曜日、さわやか広場で!」

あたしは言った。
次の土曜日は祝日とかぶっとるから、午前中の部活がない。


「…………………」

ゆうきからは返事がない。

「……え、…だめ?」


ゆうきはプッと笑うと
「2人で野球は無理やろ!」
って言うた。



「え…、あ、そっか!
 けど、バレー部は祝日でも部活あるしなぁ。」


あたしは、先にバレーボールを始めている椋子ちゃんたちを見た後、うつむいた。

ゆうきも、椋子ちゃんたちに目をやった。
そんで少し考えてから、こう言った。

「…じゃ、キャッチボール、するか。」


ゆうきはあたしの頭をポンと叩いた。
嬉しかった。

「へへ、あたしノーコンやで。」


「まじか。それは困るな!」


「なぁなぁ、グローブて冷たい?」


「ん~。この時期は微妙やな。
 冬場は寒いな
 1回、グローブん中にカイロいれて監督に怒られた。」


「ははっ、そら怒るわ!」



あたしたちは、ゆっくり椋子ちゃんたちのもとへ向かった。