オレンジ 〔実話〕




『さやか、泣いていいんだ。今、泣けるだけ泣けよ。』



そんな優しい声が受話器越しに聞こえてくる。
苦しくて、辛かったのは悠一も同じなのに、今回はあたしが慰められる側だった。




「ごめんね‥涙が止まんないんだ‥どうしようね。悠一。」



泣き笑いしながら、あたしは言った。

どうしたらいいのだろう‥‥
この溢れ出しそうな『好き』って気持ち。

思わず口が滑って、伝えてしまいそうになる‥‥