「そうだね」


「赤ちゃん産まれたら、泊まりに来ない方がいいかな?」


心葉ちゃんが、小さな声で呟いた。


「そんなことないよ。いつでもおいで」


「いいの?」


「その方が、愛花も喜ぶ」


「ほんと?」


「愛花は心葉ちゃんのことが、大好きだよ」


「あたしもお姉ちゃん大好き」


そう言って笑った顔は、愛花そっくりだった。


「あたしね、お姉ちゃんに甘えてばっかだったなって思うの」


心葉ちゃんが、ポツンと言った。


「離婚のときも、お葬式のときも、お姉ちゃんにしがみついて泣いて。お姉ちゃんだって、悲しかったはずなのに」


心葉ちゃんが、鉛筆を置いた。


「お姉ちゃん優しいから・・・」