裕介が苦笑いした。


「お姉ちゃん、赤ちゃんいつ産まれるの?」


「明日かもしれないし、今日かもしれない」


私は卵を溶きながら答えた。


この子の予定日まで、あと3日と迫っていた。


「男の子?女の子?」


「さぁ、どっちだろ?」


「聞いてないの?」


「うん」


「なーんだ」


「心葉、フライパンに油ひいて」


「うん」


中華鍋に油をひく。


その上に卵を落とすと、ジューッと音が広がった。


「おじさんは、どっちがいい?」