「はい」


自分の手で、へその緒を切った。


女の子だった。


「愛花」


愛花の方を見ると、ニッコリ笑って。


それから、つーっと涙が流れた。


「よく頑張ったな」


「裕介」


差し出された手をぎゅっと握った。


「何泣いてんの?」


「俺だって、たまには泣くさ」


このとき初めて、裕介の涙を見た。


「元気でよかった」


「ああ」


看護師さんが、私の傍に赤ちゃんを連れて来てくれた。