妊娠中に習った呼吸法。


「ひっひっふー」


愛花の手を握って、一緒にやった。


それでも痛さのためか、過呼吸を起こしそうだった。


「愛花、息吐いて」


「はぁはぁ」


「愛花、もう少しだから」


だんだん赤ちゃんの頭が見えてきた。


「もう少しよ。頑張って」


看護師さんも、声をかけてくれた。


「愛花、頑張れ!」


そのとき。


「おぎゃーおぎゃー」


元気な声が、分娩室に響き渡った。


「旦那さん、へその緒切りますか?」