車の中では、心葉が私の汗を拭いてくれた。


「お姉ちゃん・・・」


「そんな顔しないで」


心葉は、泣きそうになってた。


「大丈夫。嬉しい痛みなんだから」


「うん」


そう言って、心葉の頭をなでた。


病院に着くと、もうすぐだからと分娩室に連れてかれた。


裕介はほんとに立ち会うらしい。


「心葉ちゃん、ここで待ってて」


「うん。お姉ちゃん、頑張ってね」


心葉ちゃんの声に、愛花が微かに笑みを浮かべた。


「愛花、頑張れ」


必死に声をかけた。


汗を拭く。