戦国遊戯

「なん…で…」

かすれるような声で、玲子が問いかけると、信長は手を離した。

「げほっ…っはぁ!…はぁ…」

玲子はむせながら、喉をさする。目には少し涙が浮かんでいた。

「なんで、田中くんがいるのに、私にまで協力を依頼するの?」

不思議そうな目で信長を見る。信長は首をかしげながら答えた。

「なぜ?そんなもの、あやつには野心があるからな」

なぜそんなことを聞かれるのかわからないといった風だった。

「あやつは余の天下取りを手伝うといっておったが…はたして。どこまでが真実なのかわかったものではないわ」

くくっと笑う信長を玲子はじっと見つめた。

「…私にだって、野心があるかもしれないじゃない」

玲子が聞くと、信長は腹を抱えて笑った。

「玲子、お主に野心など、あるものか!」

断言されて玲子は少しむっとする。

「わからないじゃない!」

言い返すと、信長はまた、あの冷たい目で、玲子を見た。

「わかるぞ。お主がしたいことは、もっと別の何かだ。天下統一になど、興味はない。そうであろう?のぅ、玲子よ」

言われて、玲子は思わず後ずさる。


この人、いったい何者なのよ!


背筋に冷たいものが走った。