戦国遊戯

「ねぇ、何とか信長公と話がしたいの。どうすればいいと思う?」

学の狙いが、学自身による天下統一だとすれば。
信長に全てを話しているとは考えにくい。
なら。
信長に直接話ができれば、あるいは、学がどうしようとしているのかがわかるかもしれない。

藤吉郎に聞いてみるが、藤吉郎は何も言わず、ただ、首を横に振っていた。

「田中くんを何とかしなきゃ。私がきっと、この世界に来たのは、そのためだから」

玲子はそう言うと、ぎゅっと唇を真一文字に結んだ。

「ありがとう、藤吉郎さん」

そう言って、その場を立つ。

「玲子!?どうするつもりだ!?」

玲子は襖にかけた手を少しだけ止めた。申し訳なさそうな顔で、藤吉郎の方を向く。

「私なんかを庇ってるってばれたら、田中くんが、信長公になにを吹き込むかわからないし。これ以上は迷惑かけられないよ」

苦笑いを浮かべて、襖のほうに向き直ると、襖にかけた手に力を込めてあけた。

「ほんとに、ありがとうね」

玲子は部屋を後にした。


「玲子…」


思いつめたような玲子の表情に、藤吉郎は少しだけ、胸騒ぎを感じた。