戦国遊戯

玲子は携帯を受け取って、バッグにしまった。


反応が面白くて、つい遊んじゃった。
ライターとか見せたら、さらにびっくりするんだろうなぁ・・・


興味津々、といった顔で、幸村は私を見ていた。

「玲子、他にもいろいろ、話を・・・」

幸村が言いかけたとき、さくらが割って入ってきた。

「若様。お館様がお呼びです」

「ん?あぁ、そうか。わかった。すぐに行く」

幸村は玲子の方を向く。

「俺は今から、お館様の所へ行かねばならん」

言って、少し考え込む。どうしたのかと玲子が顔を覗き込むと、幸村が腕をつかんできた。

「玲子、お前も、お館様の所へ行かんか?」

「へ?」

「お館様に、お前を紹介したいのだ」

「な、なんで!?」

「なぜって・・・お前は少し変わっている。面白いからな」


そ、そんな理由で、主人に合わせるって大丈夫なわけ!?第一、確か幸村さんの言うお館様って、武田信玄でしょ!?チョー有名な戦国大名じゃん!私みたいな、(自分で言うのもあれだけど)得体の知れない奴連れてっと大丈夫なわけ!?


目を丸くしていると、腕を引っ張られ、有無を言わさず連れて行かれる。

「若様!?何をおっしゃっているのですか!?」

「おやめください!」

佐助とさくらがとめに入るが、幸村は嬉々とした表情で、馬小屋へと向っていく。玲子はどうすることもできず、ただ、幸村に引っ張られるがままだった。