戦国遊戯

玲子が倒れてから3日が過ぎた。いまだに目を覚ます気配がない。

「玲子…」

そっと、額の汗を拭いながら、前髪をかきわけた。

「まだ、目を醒まさぬ、か」

振り替えると、そこには信玄の姿があった。

「お館様」

向き直り、頭をさげようとすると、信玄は、よい、と言って、それを制止した。

「医者はなんと?」

聞かれ、幸村は頭をふるふると横にふった。

「体は問題ない、と。ただ…」

「ただ?」

聞き返され、幸村も難しい表情で、ためらいながら答えた。

「精神的な部分で、問題があるのでは?と」

信玄は、黙って幸村の言葉の続きを待った。

「精神的に、なにかとてつもないものをみたり、聞いたりしたのではないか、と。玲子という、器には収まりきらないような、なにか、衝撃的なことがあって、器が壊れたのではないか、と」

幸村は辛そうな表情を浮かべた。

「衝撃的ななにか、か。それで、玲子は大丈夫なのか?」

信玄の言葉に、また。幸村は首を横にふった。

「玲子次第、と」

「玲子次第?」

信玄は首を傾げた。

「何かの拍子に、目が醒めるかもしれないらしいのですが、それが、今日・明日なのか、1ヶ月後なのか、何十年後なのか。わからないそうです」

悔しそうな表情の幸村。信玄も言葉がでてこない。