戦国遊戯

門の前には、佐助と馬が1頭の姿があった。

「佐助、どうした!?」

「それが…」

佐助も、よくわからない、といった顔をしている。よく見ると、馬は玲子に貸したはやぶさだった。

「はやぶさか。玲子の姿が見えないが」

佐助に聞くと、佐助は首を横にふった。

「それが、門に入ってきたのはこいつだけで、玲子の姿はありません。今、さくらが近くを探していますが」

佐助がそういったところに、さくらがふっと現れた。

「この辺り一体を探して見ましたが、玲子の姿はどこにもありませんでした」

さくらは首を横に振りながら答えた。

「玲子の姿がない?どこにも?」

「はい。近くを探してみたんですが、どこにも。玲子がいた形跡もありません」

さくらに言われて、幸村の中に、嫌な予感が広がった。

「佐助、少し出かける」

短く言うと、はやぶさにまたがり、そのまま屋敷を出て行った。

「若!」

佐助の制止する声も、遠く、小さく聞こえたが、はやぶさを止めるつもりはなかった。

「お前のご主人の下まで案内してくれるか?」

はやぶさはまっしぐらに、森へと向かって走っていった。