戦国遊戯

「玲子は連れて帰るぞ。よいな?」

そう言うと、幸村のそばへ移動した。

「玲子。帰るぞ」

そう言うと、信玄は幸村の方をぽんっと叩いて、屋敷の入り口へと向かって歩き出した。幸村は頷き、玲子を抱き上げると、その後に続いた。さくらは、いつの間にか玲子の服と持ち物を手に持っており、幸村の後に続いた。

「玲子」

謙信に声をかけられる。
幸村は、体を少しだけ傾け、玲子から謙信が見えるようにした。玲子の目が、謙信とばちっとあった。

「いつでも遊びにおいで。お主ならいつでも大歓迎じゃ」

にぃと笑う謙信。玲子は何も言わず、視線をそらした。幸村は、謙信を睨みつけると、そのまま、また、歩き出した。

「今は何も考えず、眠っておれ。ちゃんと、屋敷まで連れて帰ってやる」

幸村の声に、言葉に。ひどく安心感を覚えた。こんな自分でも、こうして、気にかけてくれる人がいる。そして、この世界にも居場所がある。

「ごめんなさい」

また、迷惑をかけてしまった。自分の力で戻ろうと、迷惑をかけないようにと、そう、思っていたのに。

幸村は優しく笑った。

「何を言ってるんだ。元はといえば、俺が、玲子を誘拐されたのがいけなかったんだ」

「そんなことない!私が」

「眠っていた玲子には、抵抗する術なんてないだろう」

幸村に言われて言葉に詰まった。

「だから、もう、謝るのはやめてくれ。俺の方こそ、すまなかった」