戦国遊戯

バランスを崩すが、体制を立て直すとき、庭の砂利をつかみ、柿崎めがけて投げつけた。

「ぐわぁ!」

「はぁっ!」

持っていた剣を手放して、そのまま、柿崎の鼻下めがけて掌底突きを繰り出した。

「がっ!」

柿崎がその場に倒れこむ。うつ伏せになるよう、片足を引っ掛けて、柿崎の体を回し、そのまま馬乗りになり、両腕を背中であわせるようにして押さえつけた。

「ぐわぁ!」

ぎりぎりと腕をねじりあげる。柿崎が呻き声をあげる。

「謙信、これで満足!?」

声を上げて、謙信をにらみつけると、謙信は満足そうに玲子を見つめた。

「ふふ、ほんに玲子は、期待を裏切らぬ」

くいっと酒を飲み干した。

「あぁ、惜しい、惜しいぞ、玲子」

すっと立ち上がる。柿崎が落としたを拾い、玲子のそばへとやってくる。そして、刃先を玲子の喉に突きつけてきた。
玲子が手を離して刀を払ったり、体をよじったりしてみれば、柿崎が玲子を振りきって、立ちあがってしまう。そうなると、次にまた、同じように柿崎を押さえつけられるとは思えない。
すすっと剣先が喉元から顎下へと移す。

「その目、あぁ、ゾクゾクする」

恍惚とした謙信の顔に、背筋がぞっとした。目をそらせば殺られる。ひるんでも。
玲子は、睨みつけるのをやめなかった。


なんなの、一体。何がしたいってのよ。


「ふふっ。今回は柿崎の負けじゃ。信玄のもとがよいというのであれば、戻ればよい」

すっと剣をおろす。地面にざくっと立て、座っていた席へと戻っていった。

「玲子!」

幸村が玲子のそばへと駆け寄ってきて、抱きついた。