戦国遊戯

中に入ると、そこそこに人がいて、お店の人は、忙しそうに動き回っていた。

「へい、いらっしゃ…って慶ちゃんじゃねぇか!久しぶりだねぇ!」

そう言って、少し年配のおじさんが、気安い感じで、慶次に話しかけてきた。

「おぅ、久しぶりだねぇ。相変わらず繁盛してんじゃねぇか」

「ま、おかげさまでな。っと、こちらはどちらさんだい?」

チラッと顔を見てくる。

「なかなかのべっぴんさんじゃねぇか。慶ちゃんも、すみにおけねぇなぁ」

けらけらとからかうおじさんに、慶次も笑いながら答える。

「そうだろそうだろ?あぁ、おやっさん。こいつ、腹減ってんだ。なんか適当に飯作ってくれねぇか?」

「あいよ。腕によりをかけてつくってやらぁ。慶ちゃんは?1本いっとくかい」

「話がわかるねぇ!あっついのをひとつ。頼んだぜ」

「あいよ!」

あまりの展開の速さに、若干ついていけてなかったが、取り合えず、慶次の馴染みのお店なのだと言うことだけはわかった。

しばらくすると、1人の若い女の人が、徳利とお猪口を2つ、それから漬物の盛り合わせを持ってきた。

「慶ちゃん、はい、お待ちどうさま。もう、久しぶりに来たと思ったら、いい人連れてきちゃって。やけちゃうわぁ」

くすくすと笑いながらお酒とおつまみを置いて言う。

「おぉ?まりちゃんも、ちょっと見ないうちに、いぃ女になってるじゃねぇか」

「いややわぁ、慶ちゃん。もう、いい人の前で、そんなこと言うたらあかんよ」

まりは、テレながらばしばしと、慶次の背中を叩いた。私は気にせず、漬物をつまんだ。

「あ、おいしい」

程よい塩加減の茄子の漬物。結構おいしい。慶次もそれを聞いて、ひょい、とつまんで食べた。

「お、確かにうまいな」

「おおきに」

まりはテレながら、にっこりと笑うと、奥へと戻っていった。