どのくらいの時間がたったのだろうか。日ももう、かなり高くなっている。
焦りが、余計に不安をかき立てる。
――あと少し、もう、ここを越えれば…!
馬を走らせ、本陣にようやく到着したとき。
幸村の目に映ったのは、異様ともいえるような光景だった。
なんなんだ、これは。
たくさんの屍。その中で、玲子が、柿崎と戦っていた。
戦っている玲子を見て、背筋が凍った。
笑っている。
うっすらと、笑みを浮かべて、柿崎に斬りかかっていたのだ。
そして、謙信と対峙する信玄の姿を発見し、はっ、と我に返った。
「お館様!」
馬を走らせ、信玄のもとへと急ぐ。
「謙信!」
十文字槍を謙信に向かって突く。謙信はそれを、持っていた槍で受ける。
「あら、信玄のお気に入り。お久しぶりね」
余裕の表情で対峙する謙信。
「お館様!無事ですか!?」
「あぁ、幸村。よくぞ戻ってきた」
安堵する信玄の顔を見て、無事が確認できると、幸村もほっと、息をついた。
「すぐに、別働隊が戻って参ります」
「すまぬ」
信玄がそう言ったと同時に、激しい叫び声が聞こえてきた。
声の主は、玲子だ。
「そうじゃ、幸村。わしはよい。玲子を止めてくれ!」
「お館様?」
「このまま、玲子を戦わせてはならぬ!」
「…御意」
言って、幸村は、謙信をにらみつけた後、急いで玲子のもとへと向かった。
焦りが、余計に不安をかき立てる。
――あと少し、もう、ここを越えれば…!
馬を走らせ、本陣にようやく到着したとき。
幸村の目に映ったのは、異様ともいえるような光景だった。
なんなんだ、これは。
たくさんの屍。その中で、玲子が、柿崎と戦っていた。
戦っている玲子を見て、背筋が凍った。
笑っている。
うっすらと、笑みを浮かべて、柿崎に斬りかかっていたのだ。
そして、謙信と対峙する信玄の姿を発見し、はっ、と我に返った。
「お館様!」
馬を走らせ、信玄のもとへと急ぐ。
「謙信!」
十文字槍を謙信に向かって突く。謙信はそれを、持っていた槍で受ける。
「あら、信玄のお気に入り。お久しぶりね」
余裕の表情で対峙する謙信。
「お館様!無事ですか!?」
「あぁ、幸村。よくぞ戻ってきた」
安堵する信玄の顔を見て、無事が確認できると、幸村もほっと、息をついた。
「すぐに、別働隊が戻って参ります」
「すまぬ」
信玄がそう言ったと同時に、激しい叫び声が聞こえてきた。
声の主は、玲子だ。
「そうじゃ、幸村。わしはよい。玲子を止めてくれ!」
「お館様?」
「このまま、玲子を戦わせてはならぬ!」
「…御意」
言って、幸村は、謙信をにらみつけた後、急いで玲子のもとへと向かった。


