ブレーメントンコツズはブリタニアツアーライブを皮切りに各地でツアーコンサートを行い一応の成功を収めていた。
歌番組への出演もそこそこあったしシングルもかなりの人気作が出た。修行も充実した内容が多いし結構機動に乗ってきた訳だ。この1年は。
だがブレーメントンコツズに巨大な暗雲が立ち込めようとは誰も想像していなかっただろうが。つか巨大でも暗雲でもなかったんだろうけど。
ある日下水道の中にあるウチ(獣人だから下水道の中にウチがとかじゃなくブリタニアへ渡ってから武術の達人なネズミ獣人が住む下水道の中にある彼の家で住み込みで修行してるのである)に強盗が入ってきたのだ。
どうも銀行ギャングが下水道に逃げ込んだときウチを見つけて潜伏してたらしい。
先生はその時外出中、俺達もオーストラリアのアリス・スプリングスにその時いた訳で、まさかウチに強盗したギャングがいるとは思ってもいなかった。
「パッシェンド参上~!」
いつものおとぼけな声と表情でパッシェンドがそう言うと、中から物音がし、人影が現れるやそいつはヒィッ!と叫びウチから逃げ出した。
俺達も驚いた。まさかウチに誰かいるとは思ってなかったのだ。ケイシーやエイプリルなら驚かないだろうし、登場作品が違う。てゆーかあんな驚かんでもよかろうに心外だよ。
そのせいかオリコンでもいい記録キープしてきた俺達にも不調が訪れた。やっぱり武術のがよかったんじゃないのかとか、限界を感じつつあった。
そんなある深夜、ウチから逃げ出したギャングの1人が仲間を連れてウチに忍び込んだ。大方忘れ物でもしたのだろう。で、それを取りに来た。と見るのが妥当なのだが、驚くことにこの連中、武装してきたのだ。ギャングってのは武装でもしなきゃ忘れ物も取りに来れないのかと思うがこの連中、寝込みを襲うかのような時間にやって来たのだ。
「誰かおるみたいだけど寝込みなら一撃とよ。」
「明太子隊長も人悪いなぁ。寝込み襲うとか僕らでけへんよ。」
「だまらっしゃい!化けネコがおるならこうでもせんと勝てんに決まっとるたい。それに怖かけど(聡明な読者の皆さんはもうお気付きだろうがこの連中はギャング時代の明太子一味である)ここはオイドンたちの隠れ家にせんばいかんとにヤツらいたらダメたい!」