フィゼルにぎゅっと抱きつくと

あたしの背にまわされた腕に

さらに引き寄せられる。



これ以上隙間がないくらいに

ぴったりと寄り添いあう。



あたしの身体は

大きなフィゼルの身体に

すっぽり包まれていて

扉のほうからは

全く見えないだろう。




「ここか!!」




ノックもなしに

乱暴に扉が開けられた。