「フィゼル?」



少し顔をあげて

小さく名前を呼ぶ。



「なに?」



顔は従業員さんたちに向けたまま

小さな応答が返ってくる。



「もう許してあげたら?

なんか気の毒だよ。」



「そうだな。」



笑いを含んだ声。