親は、多分きっと来ない。



成績は頑張っても中の上、要領だってそんなに良くない。
どんなに頑張っても私は親の応えることはできなかった。
そんな私よりも、勉強も運動も出来る妹の方が可愛くて仕方ないんだよ、私の親は。



『挙句の果てには、治療費にすごくお金がかかって…本当、あの家にとって私は…ただの邪魔者でしかない』



「そんなこと言うもんじゃないよ」



また、先生の顔が曇った。


ふと顔だけ動かして、棚に置いてある花瓶を見やる。
花瓶に生けてある綺麗な花。友達が持ってきてくれたそれに、笑みが零れる。