年下がダメな理由

カタカナを目で追った。

トダタカヒロ?

あれ?どっかで聞いたことがあるような・・・。

もしかして・・・・・。

私のお金持ち逃げした。



戸田貴弘!


「トダタカヒロ。って俺じゃないよ。」

なんか、少し不満そうに口を尖らせている。

『たしかに違うわね。これ、わたしのお金持ち逃げした人。でも結局、お金返してくれたみたいね。』

とりあえず借金は無くなったのね。
忘れてたけど、一番重要な事だったんだわ。

少し、ほっとした。

『ということは。あんたとも、付き合う理由無くなったのよね。』

・・・・・。沈黙が流れる。

「嫌だね。」

また、だ。

あんたねぇ~。どこまで、人に付き合わせる気?
潤也がそう言うなら、私だって言いたいわよ。

『だって、遼子さんはどうなわけ?この間マンションに来てたでしょ?』

「見てないで、声掛ければいいだろ。」

『邪魔しちゃ悪いかと思って。』

潤也がムッとしている。

「俺は、あの日遼子に相談されて。離婚するって急に言い出すから、仲直りさせてたんだ。」

『へぇ~。一晩中。夜中ずっと?はいはい。そりゃ、大変でしたね。』

ほんと、私って可愛くないわ・・・。
自己嫌悪・・・。
素直に、聞けないし。

「ほんとなんでも無い。彼女と俺はすでに終わってるだ。しかも、俺が振られてるんだし。」

まっすぐに私を見つめている・・・。
きっと、ホントの事だろう。
でも・・・。


『そう。まあ。どっちでもいいけど。』

「また、そうやって言う。ホント底意地悪いよな。葉子さん。」

そうですとも。意地悪ですとも。それが、何か?
それぐらい言って当たり前でしょ。

「ほんとは、言いたくなかったんだけど。まあ、信じてもらえなくてもいいけど・・・。」

潤也が話出した。