年下がダメな理由

潤也が立ち止まった。

『あっ。ここだ。』

小さな手帳を拡げている。
近頃は、携帯を手帳代わりにしている人も多いというが、
最近の子にしては、アナログ？


珍しいねぇ・・・。
っていうか・・・。

まさか？



ここに住むの？？？？
なんでこんな、高級マンション？


「はぁ。」


ため息が出る・・・。

落ち着かないでしょ？


わたしの、不安をよそに・・・。
慣れた様子で、彼はマンションの中に入っていった。

いまいち、理解ができない・・・。
確かに、只者ではない空気だったが・・・。
金持ちじゃなきゃ、こんなところ住めないですもん。



私。
ごくごく、一般市民ですから。
知らないのは当たり前ですけどね。

オートロックすら知らないですし・・・。

私の住んでるマンション・・・。


いや。


アパートは築30年ボロアパート。


階段は軋み。
鍵は旧式方。
もちろん、オートロックではなく。
・・・すべてアナログ。


そりゃ。

ここは。

もちろん、オートロック。


しかも、3箇所の自動ドア、オートロック。
ありすぎでしょ？
2箇所目扉を過ぎると・・・。

エレベーター前に、ガラス張りの扉がある。

しつこいようですが・・・。
これもオートロック。


エレベーターの前まで行くと、↑の矢印ボタンが点いている。

階まで指定済み・・・。

かなり、ハイテク・・・？

それとも、これが普通？