彼の名前は、君嶋潤也。
23歳って言ってたかな?
干支ひとまわりってとこ。丑年。
年の差12歳。

足元がふら付いている私を見かねて。
彼は、駅まで送ってくれている。
気が利く人だ。
私のペースに合わせてゆっくり歩いてくれている。


お店を一歩出ると、周囲は高級
すっかり、静まり返っている。
さっきの、賑やかな雰囲気から一遍して、少し落ち着く。


あれから、1時間半経っている。
腕時計は11時。


もちろん、一軒一軒のお家が広い。
ってか、家広すぎでしょ?何人で住んでるの?って感じ。
お金持ちの生活って、考えられないね。


人も歩いてないし。

むしろ、黒塗りの車が多いし。
高そうな高級外車ばっかりだし・・・。
場違いだね。完全に。。。


二人で歩いていても。
シーン。って感じ。


しかも、世代違いすぎて、何は話したらいいか分からないし・・・。


映画の話とかしてみたんだけど・・・。

『私、ホラー映画好きなんだけど。何のジャンルの映画が好き?』

引き出し少なくて、こんなのしか思いつかない・・・。

「あんまり。ホラー好きじゃない。どちらかと言えば、恋愛映画が好きかも・・・。アジア映画とか結構見るし。」

は?男でしょ!!!!!

アクションとか、歴史大作とか、SFとか・・・。色々あるでしょ・・・?
なんで、恋愛映画???

しかも、アジア映画あんまり知らないし・・・。
韓国映画見ないし・・・。

会話・・・。途切れた・・・。

話す話題が見つからない・・。
限界MAX・・・。

シーン・・・・・。

シーン・・・。

足音が響く・・・。

そうだ。
それどころじゃないじゃん自分・・・。
どうしょ・・・。
どうやって、借金返済しよ・・・?
かなり、深刻だよ。
頭がガンガンしてきた。
めまいがする・・・。