「今、ここで僕等がずっといてあげても歌音ちゃんは喜ばないよ。」


「………どういう事??」

そうだよね。


普通は傍にいて欲しいよね??

でも今の歌音ちゃんは違うんでしょ??

もう、昔の歌音ちゃんじゃないんでしょ??

















「……無駄に、責任感を感じるんじゃないかな??

特に今の歌音ちゃんには。」

また、自分のせいで。

本当はそう思ってないよ??

でも眠ってる歌音ちゃんには分からないよね??

本当はもっと頼って欲しいのに。

君は、何でも一人で抱え込んでた。

そして僕もそれに甘えてた。

本当は寂しがり屋さん。

本当は甘えん坊さん。

本当は泣き虫さん。

分かってるようで、分かってなかった。

行動に移せなかったから、


君は、僕の前からいなくなった。


すると演坂さんは溜め息を着き、


「じゃあ奏矢君は最後ね??」

と言ってドアの方へ歩き出した。
「………演坂さん。」

「言っとくけど、

あたしは歌音が大事だからこんな事してるの。

………もう、失いたくないから。」

そう、ぶっきらぼうに言い捨てると彼女はドアに手をかけた。