『……奏ちゃん!!』

この人が立ち止まった人の前には

コーヒーを飲みかけた奏ちゃんがいた。

コップを静かに下ろした奏ちゃんは、




『………大橋さん、お話は伺いますから歌音ちゃんの手を離してください。』


いつもとは違う棘が刺さる言葉でおもてなしした。

その言葉にいらついたかのようにブンッと急に離すおじさん。

その跡はくっきりとあたしの手首に残ってた。

そしてあの人は手ぶらになった手で、









『……どう言う事だ、奏矢。』

バンッ!!

勢いよく机を叩いた。

『……今日、言うつもりだったんです。』

『どうせならすぐにでも連絡してくれれば良かったけどな。


でも良かったぜ。
















天使の鈴声のHAZUKIが戻ってきてくれて。』

………え?

HAZUKI?

すると奏ちゃんは少し苦い顔をして、

『……toneを復活させるのはまだ無理です。』

『どうしてだ?

歌音が戻ってきてくれてこれ以上の不足がどこにあるんだ?』

『……奏ちゃん、この人は?』

ついにあたしは口を開いた。

あの人は驚いた顔で、

『……は?』

と言う文字を表してた。