そしてあたしは李亜の家にお邪魔する事になった。


今日は運動不足解消の為に歩き。

奏ちゃんはちょっと友達と遊びに行くって言ってた。

だから久しぶりに都会の街を歩く。

街路樹が青々しくなってきて少し日差しがいたくなってきた。

ずっと居たらのみこまれそうだな。

そう思う。

あたしはずっと立ち止まってみた。


どんどんすれ違っていく人たち。

あたしはそんな人達を見つめながら、

ある事を考えてた。









『………歌音か?』

人混みの雑音から、

ある言葉だけが切り取られたみたいにはっきり耳に届いた。


驚いて振り替えると、

黒いサングラスをかけてタバコを口にするおじさんがいた。


キィィン………



ビリビリビリ…


『………あっ……』

キタ

また残像が。

あの人はあたしに深く関係する人だ。

少し頭を押さえてると、

『ちょっと来い。』

『……え…ちょっと…』

有無を言わさずあたしの右手首はあの人の手に掴まれた。

瞳はサングラスのせいで見えないけど

鋭い眼光がどうしても隠しきれてない。

……一体何を知ってんの?

何処かに連れてかれる間はとても居心地が悪かった。









『………歌音ちゃん!!』