けど…このまんまじゃ、
駄目だと思うから…。


「で…話って、何?」


いつもみたいな
優しくて暖かい声が、
とっても嬉しかったんだ。



「ごめ…陽汰、ごめんね…。」


それしか言えない。
いっぱい伝えたい事はあるのに。


「好きになってくれて…
なのに、あたし…答えられっ…」


「もー…いいから。」


さっきより、少し哀しそうな、
寂しそうな声だった。


けど、しっかりと抱きしめられて。

温もりは優しかった。


「俺…知ってたから、さ?」


…陽汰と付き合ってる時も、
早川先輩を想ってた…事?


「…っ…う…」


さっきまで堪えていた涙が、
急に溢れ出してきた。


「ありがと…」


頭をぽんぽん、ってするのも
これで最後…かもね。