十分なくらいなのに。

「まだ」「もっと」

そう思う自分が恥かしいくらい。


「…もう遅いだろ?
お前の母さん、心配するじゃん?」


…そっか。

「ありがとうございました♪」


に、って笑って、すぐ目の前にある
家の中に入ろうとする。


…ていうか、した途端。


グイ、っと後ろに体重が掛かる。


ちゅ。


「―…!?」

真っ赤であろう顔で、
先輩を見つめるしか出来ないあたし。

に対して。

「敬語、禁止な♪」