「今日はとりあえず、むこうのホテルに泊まって、


明日、朝早くに園城寺に向かおう。」


 僕は紙に大まかにスケジュールをかいた。


「ほう。」


 殿も紙を見ながら頷いている。


「タケル、この紙にもさっき見た地図をかいてくれないか?」


 僕は適当にかいておいた。


 滋賀の部分と東京の部分をぐりぐりっと塗った。


 東京のところが歪んで、神奈川にちかいところをぬってしまったが。


「夕方には着くはずだよ。


殿、その、琴菊姫の魂がレイカに憑依している、と考えていいのかな。」


 僕はその紙の裏側に図解してみた。


 レイカ・琴菊、マキ・殿、と書いた。


「ああ、確かにそう感じるのだ。」


 僕は紙をみながら閃いた。


「ねえ、殿が夕方になるとマキから殿になるように、


レイカも夕方になると変化があったりとかしないかな?」


 殿も目を見開いて僕を見た。


「なるほど!」


「じゃ、僕、ちょっとハヤトに電話してくるよ!」


 僕は携帯を片手に席をたった。