「殿様 だぁぁぁれだッ!!」


 全員で浅岡たちが作った割り箸のクジを引く。


「キャーッ!


 あたしが殿ぉぉぉ♪」


 や、ヤエちゃんが殿になったのだ。


 ヤエちゃん、独裁政権という言葉が似合いすぎる!


 僕は殿の割り箸の番号を見た。


 4だ。


 僕は2。


 さて、ヤエちゃん、どうする?


 マドンナは微笑みながら、割り箸を持っている。


「う~ん。


 2番のヒトがぁ~」


 ゲ!!!僕だ!!!


「殿様を~」


 僕は死刑執行の判決を聞くような気持ちで


 ヤエちゃんを見つめた。


「私を~」


 ごくりと唾をのみこむ。


「お姫様だっこ!!!!」


 ええええええええッ????????


 無理に決まってるじゃないか!!!


 どう見ても僕のほうがウェイトは低い!!


 ヘビー級、いや、無差別級と


 ジュニアの小学生が戦うようなもんじゃないか!!


「2番、だれー?


 俺じゃないよー?」


 浅岡がへらりと笑って割り箸をあいたグラスに


 投げ入れた。


 カラン、といい音がした。


 僕は、おそるおそる手を上げようとしたとき、


「私だ。」


 と、殿が手を挙げた。