芝生の上にマキの細い脚が二本投げ出されている。


 僕は怒りをあらわに、ドスドスと足音を立てて近付いた。


 でも、芝生なのであまり、意味はなかった。


「マキ!!」


 マキは起きない。


 僕はさらに怒りが重なる。


「マキってば!!」


 しゃがんで、マキの肩をゆさぶった。


「なんでこんなレポート書いたんだよ!!


僕…」


「あぁ!!もう、うるさいのう!!


なんだ、貴様!!


なっ!!吉次ではないか!!」


 はぁー?


 僕にあんなレポートを押し付けておいて、


 なんなんだ、この態度は!!


 まるで殿様じゃないか!!


「マキ!!


何言ってんだよ!!


マキのせいで…」


 マキは自分の手と足、着ている服を見て叫んだ。


「うわぁ!!


何だ!!これはぁ!!」


 マキの声が耳に劈く。


「お、おなごではないかぁ!!」


 マキはまた叫んで、頭をかかえて大袈裟にうずくまった。


 頭を抱えたいのは、僕だ!!