「えっと、自分の学籍番号は合ってるわよね?」


 秦野教授はおくれ毛を治しながら、


 パソコンの画面を見入っている。


「あ、はい。08675ですけど。」


 僕は教授の長いまつ毛と厚めの唇を見つめていた。


 目は見れない。


「うーん。


問題作だわね。」


 教授が首をかしげて言う。


「えぇ!!


僕、そんな変なこと書きました??」


 冷や汗があふれる。


 マキ、何を書いたんだ!!


 すると、教授は妖艶にほほ笑んで言った。


「いい意味での問題作よ。


それに、最近の若い子は


このくらい、オープンでも


“変なこと”じゃないのかもね。」


 僕は顔が赤くなっていくのを感じた。





















  そして、今に至るのだ。



 僕はマキがいつも涼んでいる7号館の裏の芝生に向かった。