「ところで、ミアチャンこんな所で何してんねん。もう遅いから帰りや?」
セイチャンはもっともな事を言いながら、まじまじと私を見た。
う…。
帰りたくないなんて言えない。
終電逃した…とか?
いやいや、ココ地元の駅ですよ。
う〜ん、どうしようかな。
なんて考えたら、セイチャンが口を開いた。
「なんか、家に帰りたくない理由でもあるん?」
さすがセイチャン、鋭い。
「まあ…、イロイロあるんだよね〜。」
するとセイチャンは、穏やかなほほ笑みを向けてくれた。
「なんやねん、いっちょ前に訳ありかい。ガキンチョのくせに。」
「余計なお世話〜。」
…………
しばらく沈黙が…。気まずいな。
「じゃ、あたしはここで。またね〜セイチャン。」
家に送られたらとんでもない。そそくさとその場を去ろうと思った。
けど…
セイチャンが突然私の腕を掴んだ。
「行くトコないなら、ウチ来いや?」
「…え………!?……いいの?」
あたしは驚いた。
久しぶりに再会した小娘を泊めてくれるなんて…めちゃくちゃイイ人だよセイチャン!
これが、第一の過ちでした。

