少し早歩きしながら正門へ向かうと、セイチャンは事務の斎藤サンと仲良さそうに話していた。
「セイチャン!」
名前を呼ぶとセイチャンはあたしを見つけて微笑んだ。
その笑顔は、イケメン好きのユカの心を掴んだらしい。
「ちょっと!!超イケメン!」
ユカはあたしの腕をガッツリ握った。
「ごめんなぁ、急に。ん?ミアチャンの友達?」
ユカとハルに気が付くとセイチャンは斎藤サンからチョコレートをもらってお礼を言うとあたし達に近づいた。
「初めまして、ユカです!いつもミアがお世話になってるみたいで!」
ユカの張り切り方がおもしろい。
「片山清次郎です。よろしく。」
セイチャンはチラっとハルを見た。
「あ、あのねセイチャン、こっちはハル。ユカもサークルが一緒なの。」
「どーも。」
横目でセイチャンを見たハルは何かを言おうとしたけと、慌ててあたしが遮った。
「セイチャン!用事って何?あたしまだ1個、授業あるから…。」
するとセイチャンはハルを気にしながらあたしを見た。
「あぁ、それやったら待ってるわ。授業終わったら付き合ってや。」

