階段を降りたら、ちょうど帰って来たのか玄関で靴を脱いでるパパと鉢合わせした。
「おかえり。」
特に何の感情も出さずに通りすぎようとしたら…
「ミア!」
思い切り肩を捕まれた。
「お前、昨日また帰らなかったな?何をしてるんだ毎晩。」
パパは久しぶりにあたしの顔を見て強く言った。
でも、すぐに目を逸らした。
「ねえ、あの人いつまでウチにいるの。あの人パパの何?」
あたしはパパの質問を一切無視して、お返しに半年前と同じ質問をする。
「前にも言ったがクミコサンは、お店でパパの良きパートナーだよ。ママがいなくなってから家の事もお前の事もよくしてくれただろ?」
「………そうだね。」
パパはこれまた半年前と同じ答え。
一緒に住む必要あるかな?
ママのエプロンして、ママの部屋使って?
家の事って…最初はあたし頑張ってたぢゃん。
なのに、あの人があたしから奪ったんぢゃん。
反論する気力も失せてあたしはお風呂場のドアを開けて入りながらすぐに閉めた。
パパは、もう昔の様にあたしの頭を撫でてくれない。

