地元の駅に着いたのはもうすぐ9時になるとこだった。
セイチャンの家に向かう途中、上を見上げると空は真っ黒で、小さな星がいくつか見え隠れした。
久しぶりに空を見た気がする。
………あたし、何してるんだろ。
みんなに何も言わないで、飲み会抜け出して。
別にセイチャンと会う約束なんてしてないのに。
そう思った途端、あたしは180度回転して、来た道を引き返した。
家まで行って迷惑がられたらどうすんの。
昨日セイチャンと会ったのだって終電が終わった頃だよ。
まさか運良くこの時間にこの道を通るはず………
ない…………
んだけど、…普通は。
「ミアチャン?」
目の前に現れた長身の男を、あたしは口を開けて見上げてしまった。
たぶん、かなり間抜けな顔してた。いや、絶対。
「セイチャ…」
「また〜、お前は何してんねん。て、まだ9時か。」
あたしは、何も言えなくて、でも何か言いたくて口をパクパクさせた。
「ん?俺に会いたかったんか?なんてなっ。」
さっきからセイチャン一人が話して突っ込んでる。
「ミアチャン??」
やっと落ち着いたあたしは、セイチャンの黒い細身のジャケットの袖を掴んだ。
「昨日のお礼、ちゃんと言ってなかったから…。あの、ありがとう。」
セイチャンは目を丸くして、あたしを見下ろした。
「え……まじで?」

