「明美先輩!」
「あ、涼輝君!」

涼輝君は、私と同じ大学に入った。

結構頭がいいらしい。

最初は「先輩!先輩!明美先輩」って涼輝君が言ってきて

誰かわかんなくって・・・

「誰?」って言ったら、すっごく落ち込んでた;

「涼輝ですよ!聖人の友達の。」
これでわかった。

口が軽いというあの涼輝君♪

前は一緒に皆で海も行ったっけ。
なのに、私は忘れてしまった・・・
何か、人の顔って覚えにくいんだよね~・・・

私が3年涼輝君が2年。

21歳と20歳。もう、お酒が飲める。

「そう言えばね、あたしの卒業式の日にね、聖人と約束したんだ。お互いが大人になったら、いつか一緒に飲みに行こうって・・・」

ああ、懐かしいなあ。

「どうしたんですか?イキナリ。・・・でも、そうですよね。昔の聖人との思い出を振り返りたくなるのも、わからなくはないです。」

そう、聖人は・・・

「一体、今どこに居るんでしょうね・・・」

突然私たちの前から姿を、消した。

「連絡は取れない。事前に報告もない。パッタリですよ。本当にイキナリ。担任に聞いても教えてくんないし。」
「そっ・・・か。」

その言葉にピクッと涼輝君は反応した。

「先輩は、聖人が好きなんですね?」