「あたしには聖人がいる




なんて言ったけど・・・さっき手放してしちゃったよ・・・」

「え・・・?」

和の口が小さく開いた。

「"本当の気持ちは?"って私に聞いたでしょ?・・・私は和が好きだよ。今まで、自分の気持ちを隠して、嘘をついてた。でも今日、はっきりわかったよ。」

私は下を向いた。

けれど、パッと顔を上げて

和の目を見た。

「あたし、和が好きだよ!!これ以外、もう言うことない!!」

そう、ハッキリと伝えた。

「明美・・・」

そう和が呟くと

「おいで」

手を広げた。

私は駆け寄った。

「俺も、明美がずっと好きだったよ。明美しか考えられない。好きだ明美」

そして、抱きしめあった。