[続編]脱いでください。

「明美・・・よかった。来てくれたんだ。」

聖人は天使の様な微笑を見せる。

「怒らないの?私、遅刻したんだよ?こんな大切な日に・・・」

「ん、でも来てくれた。」

・・・どうしてだろう

"どこに行ってたの?"って

聞かないのかなあ・・・

もしかして・・・

「私が遅刻した理由、知ってたの・・・?」

さっきまで閉じていた目が

開いて、私と目を合わせた。

「うん、知ってるよ。でも明美は来てくれた。」

そういうと聖人はソファーから降りて、

何かを持ってきた。

「これ・・・明美のサンダルと、紙袋じゃない?」

そう言われて、見せられたものは

確かに私のだった。

「私のだよ。」

「そっか、じゃあ、はい。ぬれてたから、乾かしておいたよ。」

その聖人の見せる笑顔と・・・

優しさに、私は胸がズキズキする。

これから私が告げる言葉のせいで

その笑顔も、優しさも

すべて失って、消えてしまうと思ったから・・・