いつの間にか呼び止めていた。

「名前は?」

聞くことはこれくらいしかなかったので、そう聞いた。

“明美”しかしらねえし。

「明美。星野 明美。君は?」

俺の名前知らないんだ。

みんな何故か知ってるし…

「橋本 聖人。聖人って呼んでください。先輩。」

「了解。あ、そんな聖人にこれあげる。」

口に何か突っ込まれた。

「飴だよ。葡萄味。私好きなの。葡萄味の飴を食べれるなんてラッキーだね。じゃあ、またね。」

そう笑うと

教室から出てしまった。