左の道を真っ直ぐに行けば

病院

右の道を真っ直ぐ行けば

聖人の家。

右の道を行くなんていう

考えはもう、すでにどこかに行ってしまった。

ただ、左の道を真っ直ぐに進もうと。

ただ、ただ、真っ直ぐに、真っ直ぐに


─────雨にどんなに打たれても


         濡れても────

スローモーションのように動いていた

目の当たりにしていた世界。

それが急に、動き出した。

ガシャッ

持っていたプレゼントを

その場に落とした。

ザーーーーーーーーーッッッッ

バシャバシャバシャバシャ

傘なんて要らない。

無我夢中に走った。

ヒールが高くて走りにくい。

あっ・・・

脱げてしまった。