「明美、





俺を利用してもいいよ?」



・・・利用?

抱きしめあってくっついていた体が離れる。


「っばか、何言ってんの?」


「明美は────・・・どうしたい?俺とこのまま付き合うか、アイツを忘れて俺と向き合って付き合うか。それか、俺と別れてアイツに向かうか。ぶら下がったままでいるのか・・・。」

そして、また言葉を続ける。

「明美にはいっぱい選択肢がある。俺は、明美が望むなら、明美が幸せになるなら明美のしたいようにさせる。俺ができることまでなら道を作ってやる。なんだってする。だから、明美がどんな答えを出しても、俺はいいよ、遠慮なんていらない。」

聖人は目を瞑った。

そして一呼吸して

「明美が望むなら別れるよ。まー・・・できれば明美にはアイツのもと行って欲しくないけどー・・・」